●使用したキトエースの外観について
キトエースには「フレーク状」と「液状」の2つの状態があり、通常、作業液として使用するのは液状です。キトエースの組成は、作業液の状態ではキトサンと銅と酢酸の3種類のみであり、フレーク状ではキトサンと銅、初期の製造方法では原料の銅化合物が残ることがありました。
●試験項目と試験結果
フレーク状キトエースの急性経口毒性試験 結果
フレーク状キトエースCの急性経口毒性試験を鳥取大学農学部獣医学科解剖学研究室で予備試験した結果は、以下のとおりであった。
試験項目 | 検体動物 | 結果 |
急性経口毒性(LD50) | ラット | 3,000mg/kg以上 |
フレーク状キトエースCの毒性試験 結果
☆フレーク状キトエースCの毒性試験を(財)食品農医薬品安全評価センター(〒437-1213 静岡県磐田郡福田町塩新田字荒浜582-2)に外注し、検査した結果は以下のとおりであった。
試験項目 | 検体動物 | 結果 |
急性経口毒性(LD50) | ラット | 2,000mg/kg 以上 |
眼一次刺激性 | ウサギ | 刺激性あり |
皮膚一次刺激性 | ウサギ | 刺激性なし |
皮膚感作性 | モルモット | 刺激性なし |
復帰突然変異性 | 細菌 | 陰性 |
液状キトエース魚毒性試験結果
液状キトエースC(3%v/v酢酸水溶液にCCCフレーク(固形成分)を3%w/w溶解した作業液、pH=3.5)を、OECDガイドラインに沿った40農政B第2735試験法および12農産第8147号試験法により、国立大学法人鳥取大学農学部環境木材科学研究室において繰り返し試験をした結果は、以下のとおりであった。
検体薬剤 | 検体魚 | LC50値 | 結果 |
キトエースC作業液 | ヒメダカ | 20.6 ppm | 1.64ppm |
市販薬剤(タナリスCY) | コイ稚魚 | 3.2 ppm | 0.30ppm |
硫酸銅(標準試験) | ヒメダカ | 1.98ppm | 0.49ppm |
※キトエースC作業液は、水中や海水中において市販薬剤の6倍以上安全性が高かった。これは、キトエースCが通常の状態では水(海水、汽水)に溶解しないことによる。